日本には、路地と言われる通りがあります。 その土地ごとのローカルな文化が反映され、地元の人に長く愛されている通りです。景観に配慮され、美しく整えられた路地もあれば、雑多なものが混在する通りもあります。 この記事では、日本の路地とはどんなものか、成り立ちなどを紹介します。また、その中でも関西の路地はどんな特徴があるのかをお話しします。 ぜひご覧ください!
路地とは
本来は「露地」と表記して、屋根などがなく「雨露が直接あたる土地」からこういわれたようです。建物が密集した街の中の狭い道や、家と家の間の通路などを言い、「路地裏」とも言われます。基本的には民家が通りの両側に並んで立っていて、歩行者や自転車が通行し、車が通ることはあまりありません。 このような通りはヨーロッパやアジアの古い街によく見られ、派手さはありませんが、 その土地の文化を感じることができるスポットとも言えます。 街を散策していて細い道を見かけるとつい覗いてしまいますよね。なにか引き込まれるような魅力を感じます。 現在は、繁華街の「横丁」(家ではなく店舗が並んで立っている)と同じような使い方をされることもあります。 「路地裏のおいしい店」や「路地裏食堂」などとうたい、知る人ぞ知る店として人気の店舗もありますね。こだわりのお店に出会う方法としておすすめです。
続いては関西にある路地をいくつか紹介します。
・石塀小路(京都府)
・ならまち(奈良県)
・元町周辺(奈良県)
・中崎町(大阪府)
・宿場町周辺(滋賀県)
風情あふれる石塀小路(京都)
京都市の高台寺の西側にある、北政所ねねにちなんだ道「ねねの道」のほど近くにあります。 少しわかりにくいですが、路地の入口の街灯に「石塀小路」と書いてあるので見つけてくださいね。 道の両側は板張りの木造民家の壁が連なり、道は石畳で京都らしい雰囲気を味わえます。 石畳の一部は廃止された京都市電の敷石(線路に敷かれた石)を移設したものです。 夜に歩くと街灯や店の電灯が優しく光り昼間とは違った趣があります。
住所 | 〒605-0825 京都府京都市東山区下河原町 |
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アクセス | 大阪から電車で約1時間 |
ならまち 路地が入り組んだ街(奈良)
奈良市の中心市街地にある「ならまち」は、元は元興寺の旧境内を中心とする街で、社寺や町屋など古い建物と、カフェや雑貨店などの現代の店舗が混在しています。そんな「ならまち」を歩きながらふと覗くと、狭い路地が宝探しのように発見できます。行き止まりのような細い道や、クランクになった狭い道を歩くのはわくわくします。思いがけないお店や社寺を発見するかもしれませんね。
住所 | 奈良県奈良市の中心市街地南東部 |
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アクセス | 大阪から電車で約1時間 |
元町 混然としている街(兵庫県)
元町は中華街が有名ですね。中華街の北に元町商店街、南に栄町通りがあり、数百メートル離れて平行に通っていますが、個性が違います。 元町商店街は広く賑やか、中華街は密集して活気があり、栄町は落ち着いた雰囲気です。 それらのメイン通りを縫っているたくさんの路地は北に南に歩くだけで、雰囲気が変わって楽しめます。 静かになったり、喧騒が聞こえてきたりするので、ぜひ変化を感じてくださいね。
住所 | 〒650-0022 兵庫県神戸市中央区元町 |
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アクセス | 大阪から電車で約30分 |
下町・中崎町の路地裏(大阪)
中崎町は阪急電車「大阪梅田」駅から徒歩5分ほどのところに位置し、太平洋戦争時空襲被害を受けなかったために、戦前の建物が残っています。 そんなレトロな雰囲気の街の中で、小さなインテリショップやトレンドの飲食店などが多く出来ています。 専門学校もあるため、若者たちで活気ある街並みです。
住所 | 〒530-0016 大阪府大阪市北区中崎町 |
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アクセス | 大阪梅田駅から徒歩20分 |
宿場町・草津の江戸時代を感じる裏路地(滋賀県)
滋賀県草津市は江戸時代には街道である東海道と中山道が交わり、多くの利用者で賑わいました。現在も草津宿本陣(大名や公家などが宿泊する施設)が当時のまま残っていて、江戸時代を感じることができます。 本陣周辺を散策していると、板塀の家屋に挟まれた路地や、神社に続く道など大小さまざまな路地があります。 草津市に行った際にはぜひ散策してみてください。
住所 | 〒525-0034 滋賀県草津市草津周辺 |
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アクセス | 大阪梅田駅から電車で約1時間30分 |
いかがだったでしょうか。気になる路地裏はありましたか。 ひとことで路地裏と言っても、規模も雰囲気も違うのがおもしろいところです。 また、下町・路地裏ということは、地域住民が住んでいるということです。住民の方たちに迷惑にならないように、ぜひ観光を楽しんでくださいね。